2008年03月10日
夜の単発ブログ小説② 『席を譲る男』
私は席を譲ることに関しては、
誰にも引けを取らない。
公園のベンチ、
バスや電車内のシート、
待合室の椅子・・・・・・・。
今まで誰一人として私の『席ユズリ』を断ったものはいない。
やがて、
その噂は広がり全国のツワモノどもが私に挑んできたが、
彼らもまたすべて敗れ去った。
そして今日、
遂に私は『席ユズラレナイ』チャンピンオンと対戦した。
チャンピオンの名前は、
バカニスルナ=オレハソンナトシジャナイヨ。
無口で、偏狭で、頑固、私がもっとも苦手とするタイプだ。
2008年02月27日
夜の単発ブログ小説① 『ひやーきおーがん』
時計の針は、
深夜2時6分をさしていた。
葉子は、深いため息とともに、
セーラムライトのタバコの煙をはく。
部屋中にたちこめる白い煙とは裏腹に、
ため息はすぐに消えてなくなった。
ベッドの上。
彼女の傍らには、
泥のように眠る男がひとり。