« 夜の単発ブログ小説① 『ひやーきおーがん』 | メイン | 家出少年記① »
2008年03月10日
夜の単発ブログ小説② 『席を譲る男』
私は席を譲ることに関しては、
誰にも引けを取らない。
公園のベンチ、
バスや電車内のシート、
待合室の椅子・・・・・・・。
今まで誰一人として私の『席ユズリ』を断ったものはいない。
やがて、
その噂は広がり全国のツワモノどもが私に挑んできたが、
彼らもまたすべて敗れ去った。
そして今日、
遂に私は『席ユズラレナイ』チャンピンオンと対戦した。
チャンピオンの名前は、
バカニスルナ=オレハソンナトシジャナイヨ。
無口で、偏狭で、頑固、私がもっとも苦手とするタイプだ。
私:「ど~ぞ、ど~ぞ」
(あらかじめ用意しておいた満面の笑み)
彼:「・・・・・・・」
(迷惑そうな表情)
私:「さっさっ、おかけになって」
(敬意を払い右手を差し出す)
彼:「・・・・・・・」
(完璧無視)
私は焦った、せつないため息をもらし、大きく息を吸った。
いままでのやり方では勝てない、そう悟った私は・・・・・。
懐からピアニカを取り出し、゙エーデルワイズを奏でた。
軽快なメロディに、
彼は表情が緩み、体を揺すり、口笛を吹きだした。
「♪♪~~♪♪♪~~♪~!!!」
突然、私は演奏を止めた。
その瞬間、長い戦いは終わり、勝利は私の手に、
人々は惜しみない拍手を送り、私を賛美した。
私は席を譲ることに関しては、
誰にも負ける気がしない。
※この物語はフィクションであり、
この物語の登場人物、団体は作者の妄想が生み出した産物です。
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plea-di.com/mt/mt-tb.cgi/39